2012年04月04日

一次侵害受容ニューロン【痛みの経路A】

一次侵害受容ニューロンとは、痛み刺激によって生じた痛みの受容器の興奮を脊髄へ伝える神経です。一次侵害受容ニューロンの系統図を下に示します(図1)。


一次侵害受容ニューロン.png

図1:一次侵害受容ニューロン系統図



一次侵害受容ニューロンの末端(末梢側)は自由神経終末とよばれ、2種類の痛みの受容器(侵害受容器)が存在します。それは、高閾値機械受容器ポリモーダル受容器です。これらの受容器は、刺激が与えられると興奮し、その興奮は神経を伝わっていきます。与えられる刺激の強度に伴って興奮性が増します。


高閾値機械受容器は、侵害性(身体に害を及ぼすような)の強い機械的刺激が与えられると興奮しますが、弱い機械的刺激では興奮しないという特徴があります。


ポリモーダル受容器は、侵害性、非侵害性に関わらず、機械的刺激、熱刺激(43℃以上の高温と15℃以下の低温)、化学的刺激が与えられると興奮するという特徴があります。ちなみに、ポリモーダルの『ポリ』は多様な、『モーダル』は様式という意味です。


一次侵害受容ニューロンには、Aδ線維C線維の2種類があります。


Aδ線維は、直径5μm以下、伝導速度30m/s以下のもので、受容器の興奮を素早く脊髄へ伝えます。


C線維は、直径1.5μm以下、伝導速度2m/s以下のもので、受容器の興奮を比較的ゆっくり脊髄へ伝えます。


『痛み』には2種類あって、一次痛二次痛とよばれています。一次痛は『刺すような鋭い痛み』で、二次痛は『鈍く疼くような痛み』です。組織が損傷されたときは、最初に一次痛が生じ、少し遅れて二次痛が生じます。一次痛は一過性の痛みであります。例えば、転んで頭を打ったとき、最初に感じる「火花が飛ぶような痛み」は一次痛で、その後に感じる「ズキズキした痛み」は二次痛であります。


つまり、一次痛Aδ線維によって、二次痛C線維によって脊髄に伝えられます。


Aδ線維自由神経終末うち、皮膚表面にあるものにはポリモーダル受容器が、深部組織にあるものには高閾値機械受容器が存在しています。


C線維自由神経終末には、ポリモーダル受容器が存在しています。


受容器には、刺激を受け取る受容体が存在します。この受容体は何種類もあり、それぞれ決まった刺激しか受け取ることができません。


Aδ線維の皮膚表面にあるポリモーダル受容器に存在する受容体には、機械的刺激に応答するもの、熱刺激に応答するもの、化学的刺激に応答するものがあります。化学的刺激については、プロスタグランジンI2に対する受容体が存在します。Aδ線維の深部組織にある高閾値機械受容器に存在する受容体には、機械的刺激に応答するものが存在します。


C線維ポリモーダル受容器に存在する受容体には、機械的刺激に応答するもの、熱刺激に応答するもの、化学的刺激に応答するものがあります。化学的刺激については、ブラジキニン、サブスタンスP、ヒスタミン、セロトニン、アデノシン三リン酸、カプサイシン、酸(水素イオン)、プロスタグランジンI2、プロスタグランジンE2、神経成長因子、種々サイトカインなどに対する受容体が存在します。


以上のように、一次侵害受容ニューロンは、機械的刺激、熱刺激、化学的刺激を受容器受容体で受け取り、その刺激を脊髄へ伝える役目を果たしています。そして、一次侵害受容ニューロンには伝導速度が異なる2種類の線維、すなわちAδ線維C線維があります。伝導速度が速いAδ線維によって伝えられる痛みは一次痛を、伝導速度が遅いC線維によって伝えられる痛みは二次痛を引き起こすことになります。(^^)


つづく・・・


〈主な参考文献〉松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.

Feuno-logo-finish-small.jpg
股関節、腰、膝の痛みセラピー
『Feuno/フーノ』
ホームページはこちら


posted by ふなこしのりひろ at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 痛みのしくみ