2012年08月13日

一次体性感覚野【脳の中の痛みC】

今回からは、『急性痛の情動、認知【脳の中の痛みB】』の続きを再開し、『痛み』に関連する脳の領域をみていきます。(^^)/


これまでの『痛み』に関する脳研究によると、『痛み』の関連する主要な責任領域として6つの領域が考えられています。それは、一次体性感覚野二次体性感覚野島皮質視床前帯状回前頭前野です。


また、関連領域としては、一次運動野補足運動野後頭頂葉後帯状回大脳基底核視床下部扁桃体傍小脳脚核中脳中心灰白質が挙げられています。


では、これらの領域について、『痛み』を主なテーマとして、その機能や特徴をみていきましょう。ただ、脳の機能や特徴は、まだ解明されていないことが多いのが実情です。したがって、ここで説明する内容は、現時点ではそのように考えられていますが、新しい事実の発見により変更される可能性が十分にあります。



@一次体性感覚野

一次体性感覚野は、ブロードマン・エリアにおける3野1野2野にあたります。


ブロードマン・エリアとは、コルビニアン・ブロードマンという人物による大脳新皮質の解剖学・細胞構築学的区分の通称です。ブロードマンの原典では、大脳皮質組織の神経細胞を染色して可視化し、組織構造が均一である部分をひとまとまりとして区分し、1〜52までの番号をつけています(ブロードマンの脳地図(Wikipedia)参照)。


一次体性感覚野では、3野1野2野の順序で、階層性の情報処理が行われます。


3野は、3a野3b野に分かれます。3a野には、深部感覚情報が到達し、3b野には、表在感覚情報が到達します。体表に加わった痛み刺激は3b野の所定の箇所に到達するため、3b野は痛み刺激が加わった場所を識別する領域と考えられています。このように、3b野では体表の部位が再現されており、これを体部位再現といいます(体性感覚(Wikipedia)参照)。


3b野では細かく体部位が再現されていますが、1野では体部位がオーバーラップされて再現されていることが分かっています。例えば、3b野では手の指が独立して再現されているのに対し、1野では複数の指、もしくは、手全体として再現されています。


1野は、注意機能の影響を大いに受けます。つまり、『痛み』に注意を向けると、この領域は活動が大きくなり、注意を向けないと、活動が小さくなります。


2野は、能動的接触(自ら触ること)による対象物の識別に関与しており、外界の認識に関与する領域と考えられています。


一次体性感覚野の特徴として、痛み刺激の強度に比例して活動が増加することが挙げられます。


以上のように、一次体性感覚野は、痛み刺激を受けた場所を識別し、注意機能の影響を大きく受ける領域と考えられており、痛み刺激の強度に比例して活動が増加する特徴があります。


また、一次体性感覚野は、次回紹介する二次体性感覚野とともに、痛み刺激に応答する急性痛に主に関与し、慢性痛で生じる自発痛には、あまり関与しないと報告されています。これらの領域は、現在のところ、体部位再現に従った『痛み』の部位、『痛み』の強度に関わる領域として考えられています。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.

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posted by ふなこしのりひろ at 18:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 痛みのしくみ