2012年08月17日

前帯状回【脳の中の痛みG】

D前帯状回

前帯状回は、扁桃体よりも、主要な『痛み』に関連する領域として認識されています。


前帯状回は、急性痛だけでなく、慢性痛においても関与することが判明しています。


前帯状回は、『痛み』の情動的側面の中心的な領域とされています。


前帯状回は、他者が『痛み』を感じている場面を観察したり、想像したりするだけでも活動することが明らかになっています。また、そのときの『痛み』の強度の段階づけの結果と強い相関関係があり、前帯状回の活動は、他者の『痛み』に対する主観的反応によって調整されることが判明しています。


前帯状回は、『痛み』に伴う情動の喚起、『痛み』に対する反応の選択、痛み刺激の予知と回避についての学習に関与しており、情動に関与する領域と、認知に関与する領域に分けられます。


前帯状回の中でも、より前方は情動に関与し、この領域は扁桃体から刺激を伝達され、中脳中心灰白質に刺激を伝達しています。


前帯状回の中でも、後方は認知的側面に関与することが報告されています。


前帯状回の前方は、『痛み』の情動的側面に関わることから、プラセボ薬の投与による除痛時に活動性が低下することが報告されています。


前帯状回は、内外の刺激に対して社会的な状況にも応じて、自己の情動バランスの査定を行う領域といえます。


前帯状回は、個人の情動やその時の環境によって、『痛み』の感受性を変化させる領域と考えることができます。


催眠によって前帯状回の活動が減少し、痛み刺激の不快さが和らぐことが報告されています。一方で、一次体性感覚野の活動には変化がなく、『痛み』の感覚的側面には催眠の影響がないことが報告されています。これは急性痛に関係する一次体性感覚野の活動による『痛み』の感覚的側面には、催眠プラセボの効果はないが、慢性痛に関係する前帯状回の活動による『痛み』の情動的側面には、それらの効果が認められることが示唆されています。


前帯状回は、一次体性感覚野二次体性感覚野にみられた痛み刺激の強度に比例して活動が強くなることはなく、主観的な影響が強いです。


帯状回切除術を受けた患者は、痛み刺激の局在、強度や質の理解は変わらないが、『痛み』があっても不快でなく気にならないです。一方、それは痛み刺激の程度が一定の場合であっても、『痛み』に対する不快感が強ければ、前帯状回の活動は増加し、『痛み』の感受性を増強させることも意味しています。


・『痛み』に対する感受性が高い人は、低い人に比べて、前帯状回前頭前野に強い活動が認められます。


前帯状回は、エラーの検出、身体的痛み、不安、不快の予期に関与することが明らかになっており、主観的な不快さを反映する領域として認識されています。


・『痛み』の変調において、前帯状回の活動変化は、注意よりも情動の影響が大きいことが報告されており、島皮質よりも、個人の主観的な情動変化に対して影響が大きいことが示唆されています。


一次体性感覚野の特徴としては、『痛み』刺激の強度に比例して活動が増加します。これに対して、『痛み』の情動認知に関わる前帯状回は、個々の心理状態によって違うことが明らかになっています。


・サルの前帯状回は、『痛み』を予期することで活動が生じることが明らかになっています。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.

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posted by ふなこしのりひろ at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 痛みのしくみ
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