2013年02月16日

股関節痛【私の痛みR】

今回も前回に引き続き、私の股関節痛の総括です。(^^)/


私の股関節の痛みは、これまでの経過から、主に腸腰筋、長内転筋に原因があると思われます。今では痛みが全くないのですが、この2つの筋肉の状態には違いがあります。それを次の表にまとめてみました。


筋の状態表.jpg

表1:筋肉の治療前と現在の状態



この表の『伸張性』とはストレッチをしたときの柔らかさで、『硬さ』とは仰向けで寝ているときにその筋肉を押してみた感じです。


この表から、腸腰筋も長内転筋も、痛みがあったときもなくなったときも、伸張性や硬さという筋肉の状態は、何も変わっていないことがわかります。


伸張性については、腸腰筋は良いままで、長内転筋は悪いまま。硬さについては、いずれも硬いままです。


普通、痛みがなくなった筋肉は、『伸張性』、『硬さ』とも改善されているようなイメージがありますが、私の筋肉はそのようになっていません。


なぜこのようなことになっているのでしょうか??


まず、長引く運動器の痛みについておさらいしておきます。長引く運動器の痛みは、筋肉に原因があることが多く、その筋肉は硬くこわばっていることがほとんどです。


筋肉は、以前解説したように(筋肉の痛み【運動器の痛みA】)、筋肉の収縮装置が含まれている筋線維とよばれる細胞と、それを包んでいる筋膜でできています。長引く運動器の痛みに関係している筋肉のこわばりは、この筋線維で起こるものです。


筋肉のこわばりというのは、筋肉(筋線維)が過剰に収縮している(縮こまっている)状態で、この状態が続くと、筋肉への血流障害が生じます。


すると、筋肉は酸素不足や栄養不足に陥り、その部分から発痛物質が産生され、その発痛物質を痛みセンサーである侵害受容器が感受し、痛みが発生します。


そして、痛みが発生していると、筋肉は収縮しやすくなり、こわばり続け、痛みが長引くこととなります。(ちなみに、いわゆる“肩こり”は、この筋肉のこわばりが肩で生じているものだと思われます)


つまり、痛みの原因は、筋肉の酸素不足や栄養不足であり、それは血流障害によって引き起こされます。


したがって、筋肉の血流障害さえ改善されれば、痛みはなくなるのです。


このことから、痛みの改善と、筋肉の『伸張性』や『硬さ』は、関係がないことが分かります。伸張性が悪くても、硬さが硬くても、血流障害さえ改善されれば、痛みはなくなります。私の痛みがなくなっても、筋肉の『伸張性』や『硬さ』が変化していないということは、こういうことだと思われます。


「ストレッチをして体を柔らかくすることと、痛みが改善することとは、直接的には関係ない。」ということです。


ちなみに、この記事での『硬さ』とは、筋線維の硬さと筋膜の硬さを合わせたものです。硬いということは、筋肉がこわばっている可能性はあるということです。


私の腸腰筋や長内転筋は、痛みがなくなっても硬いままなので、筋肉のこわばりは続いている可能性があります。しかし、筋肉の血流状態が、痛みが出るほどではない状態にまで改善されているため、痛みは出ていないのだと思われます。したがって、まだ痛みが出やすい状態が続いている可能性はあります。(^_^;)


つづく・・・


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション.三輪書店,2011.

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posted by ふなこしのりひろ at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 私の痛み

2013年02月20日

股関節痛【私の痛みS】

今回も前回に引き続き、私の股関節痛の総括です。(^^)/


私の股関節の痛み、主な原因は、これまで説明したように、腸腰筋と長内転筋のこわばりと考えられます。このこわばりによって血流障害が発生し、痛みが発生したと思われます。


この痛み、今では全くありません!!(^o^)/


なぜ痛みを消すことができたのでしょうか??


ずばり、筋肉のこわばりを解消し、筋肉のこわばりを出にくくしたからです!!(`ヘ´)/


では、筋肉のこわばりは、どのように解消したのでしょうか??


まず、『痛みの悪循環』についておさらいします。


痛みの悪循環.png

図1:痛みの悪循環



以前解説したように(痛みの悪循環@【痛みと組織損傷D】痛みの悪循環A【痛みと組織損傷E】)、痛みは一度発生すると、悪循環に陥ってしまうことがあり、図1のようなサイクルをたどります。


私の腸腰筋や長内転筋は、この『痛みの悪循環』に、はまってしまっていたのだと思われます。(>_<)


私は痛みをとるため、これまで主に次の2つのことを行ってきました。
@筋肉を直接指で揉みほぐした
A立っているときや、歩くときの、筋肉の使い方を工夫した


これらは、図1の『筋肉の持続的収縮』に対するアプローチになります。『筋肉の持続的収縮』とは、筋肉のこわばりのことです。これらが筋肉のこわばりを解消できた主な理由だと思われます。


@筋肉を直接指で揉みほぐした

こわばっている筋肉を揉みほぐすと、血液の循環を促すことができます。すると、酸素不足や栄養不足に陥っている細胞に、酸素や栄養が届き、発痛物質の産生が減少します。これによって痛みが軽減したことにより、『痛みの悪循環』からの脱却が可能となり、筋肉のこわばりが解消していったのだと思われます。


A立っているときや、歩くときの、筋肉の使い方を工夫した

骨盤後傾.JPG
図2:骨盤の後傾



私は、立っているときや歩くとき、骨盤を後ろへ傾けるようにしていました(図2)。どのようにするかというと、大殿筋と腹筋を働かせるようにしました。このようにすることで、腸腰筋や長内転筋のこわばりが解消されやすくなります。それは、なぜでしょうか??


相反神経支配.JPG
図3:相反神経支配



動物には、“相反神経支配”と呼ばれる、運動をスムーズに行えるようにするための、便利なシステムが備わっています(図3)。これは、簡単に説明すると、「関節を曲げようとするとき、関節を伸ばす筋肉には力が入らない」とうことです。


例えば、肘を曲げる筋肉の一つに上腕二頭筋が、伸ばす筋肉の一つに上腕三頭筋があります(図3-a)。肘を曲げようとするとき、上腕二頭筋には力が入り、上腕三頭筋には力が入らなようになっています(図3-b)。もし肘を曲げようとするとき、上腕三頭筋にも力が入ってしまえば、肘は曲がりません。


このように、動物の体には、自動的に筋肉に力が入らないような仕掛けがあります。この仕掛けのおかげで、思いのままの動きができるのです。


骨盤運動.JPG
図4:骨盤の運動



さて、私の股関節の痛みの主な原因は、腸腰筋や長内転筋のこわばり、つまりこれらの筋肉に力が入り続けていることでした。


腸腰筋や長内転筋は、骨盤を前に傾ける(前傾)作用があります。そこで、骨盤を後ろへ傾けると(後傾)、相反神経支配の仕掛けにより、腸腰筋や長内転筋の力が抜けていくことになります!!


通常、私たちの骨盤は、立っているとき少し前に傾いています。骨盤には、上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)という出っ張りがあり、これらを結んだ線は、立っているとき通常12°ほど前に傾いています(図4-a)。


腸腰筋や長内転筋がこわばっていると、骨盤は過度に前傾してしまいます(図4-b)。当初、私の骨盤はこのようになっていました。


骨盤を後傾させる主な筋肉には、大殿筋と腹筋があります(図4-c)。私は、これらを働かせて骨盤を後傾させることで、相反神経支配の仕掛けにより、腸腰筋や長内転筋に入っている力を抜いていったのです(図4-d)。(`ヘ´)/




さて、痛みを消すことができたもう一つの理由、筋肉のこわばりを出にくくしたとは、どういうことをしたのでしょうか??


それは、歩き方の修正です!!(`ヘ´)/


意識したのは、次の2つです。
@筋肉をバランスよく使うようにした
A体への負担が少ない歩き方をした


@筋肉をバランスよく使うようにした

先ほど説明した、大殿筋と腹筋を働かせての骨盤の後傾運動ですが、やり始めたときはうまくいかず、全く骨盤が動きませんでした。つまり、大殿筋と腹筋を使う能力が低下していたのです。私は比較的運動神経が良いと思っていたので、このことにはショックを受けました。(>_<)


立っているだけのときにさえできないのに、歩いているときにできるはずがありません。つまり、大殿筋や腹筋を十分に使えない状態で歩いていたのです。


本来ならそれらの筋肉が果たさないといけない役割を、他のところで補っていたのです。つまり、その部分に大きな負担をかけてしまっていたのです。そして、その部分はいつか破綻する可能性があり、それが私の腸腰筋や長内転筋だったのではないかと思います。


筋肉をバランスよく使うようにしたとは、立っているときや歩いているときに、大殿筋や腹筋を適切に使えるようにした、ということです。


A体への負担が少ない歩き方をした

私たちは普段何気なく歩いていますが、それは人間に備わっているたくさんの絶妙な仕掛けによって初めてできることなのです。私は、この仕掛けを、できるだけ有効に発揮できるように、歩き方を修正していきました。


これについて詳しく説明していくと、ここでは書き切れないほどの膨大な内容となってしまいますので、私が意識したもののうち、一つだけ紹介します。


それは、歩くときは「踵から床に着ける」ということです。詳しい説明は省きますが、こうすることで、足が床に着くたびに加わる床から体への衝撃を、効果的に吸収することができます。したがって、筋肉の無駄な働きを抑えることができるため、筋肉への負担を最小限にすることができます。ちなみに、衝撃が小さいということは、靱帯や関節も傷みにくい歩き方ということになります。


このように歩き方を修正したおかげで、筋肉のこわばりが出にくくなったのだと思います。(^^)/




以上のようなことで、私の股関節の痛みは消えていったのだと思います。(^o^)/




今回で、私自身が痛みの改善に取り組み始めてからの1年間の股関節痛の総括は、終わりにしたいと思います。


これからも、腸腰筋や長内転筋の痛みが出ないよう、筋肉の使い方、姿勢、歩き方や、心理状態を気にかけながら、楽しく生活していきたいと思います!!(^o^)/


引き続き、私の股関節痛の経過については、随時報告していきたいと思います〜(^^)


おわり(^^)/


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション.三輪書店,2011.
細田多穂 他・編:理学療法ハンドブック 改訂第3版 第1巻 理学療法の基礎と評価.
協同医書出版社,2000.
Michael Schunke 他:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系(坂井建雄・他監訳).
医学書院,2007.
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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