2014年06月18日

関節にかかる荷重の実際【関節にかかる荷重E】


膝屈曲時の荷重.jpg

図1:膝を曲げたときの膝関節にかかる荷重



前回までに説明したことを、実際の関節でみてみましょう。図1のように筋肉によって膝を曲げたときの膝にかかる荷重はどのくらいになるでしょうか?


このとき、膝関節は太腿の前面にある大腿四頭筋によって曲がった状態で固定されています。この膝は60°曲げた状態です。私の身体(身長181cm、体重73kg)を例に調べてみます。


図1の、緑色の丸は膝から上の身体の重心、赤い矢印はその重心線、aはその重心から膝関節軸までの距離、bは大腿四頭筋から膝関節軸までの距離です。


てこ数式関節変形.jpg

式1:固定している関節での筋肉の力を求める式



これまでの説明のように、大腿四頭筋の筋力は式1で求められます。


Mは膝から上の身体の重量です。他サイトのページ(A基準体重比)に掲載されている情報を元にMを計算してみると、、、Mは体重の85.8%ですので、

M=73×0.858=62.634≒63kg

となります。


aとbは実際に測ってみたところ、

a=18cm  b=5cm

でした。


これらの値を式1に当てはめて大腿四頭筋の筋力Tを求めると、

T=63×(18÷5)=226.8≒227kg

となります。


膝関節にかかる荷重は、MとTを足したものですので、その荷重は、

M+T=63+227=290kg

となります。


なんと、このとき膝にかかっている荷重は、290kgもあるのです!!


これは、体重の約4倍の重さです!!




関節を曲げているということは、これだけ大きな荷重が関節にかかっているということなのです!!


これは膝についてだけではなく、どの関節でもそうです。股関節でも、腰でも、首でもそうです。


腰や背中が曲がっていると、それだけ大きな荷重が背骨の関節にかかっているのです。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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2014年06月22日

理想的な姿勢【関節にかかる荷重F】

前回まで、筋肉に力が入っている状態、関節を曲げた状態でいると、関節にとても大きな荷重がかかることを説明してきました。


では、私たちが健康な身体であり続けるためには、どうしたら良いのでしょうか??


骨を重ねる.JPG

図1:骨の積み重ね



当然のことながら、筋肉に力を入れないように、関節を曲げないようにすれば良いということになります。


図1-aのように、関節を曲げた状態で立っていると、関節に大きな荷重がかかります。図1-bのように真っ直ぐ立っていると関節にかかる荷重は小さくなります。


さらに、図1-bの状態で、筋肉に力を入れていないと、関節にかかる荷重は最小になります。


つまり、私たちがとるべき理想的な姿勢は、できるだけ骨だけで立つ、ということです。


そして、筋肉には、骨だけで立つために必要な分だけ力を入れる、ということです。


このような姿勢、立ち方が、最も関節に荷重をかけないものなのです。こうすることで、関節の変形、椎間板ヘルニア、圧迫骨折となるリスクを減らすことができるのです。


さらに、姉妹ブログ「腰痛、股関節痛、膝の痛み、、、手術その前に!!」のカテゴリ『筋肉と痛み』での説明のように、長引く痛みは、筋肉に力が入り続けて発生してしまう“筋肉のこわばり”が原因であることが多いのですが、このような姿勢、立ち方は、この“筋肉のこわばり”を防ぐことができるのです。



今回で、【関節にかかる荷重】は終わりとなります。立つときは、筋肉で立つのではなく、できるだけ骨だけで立つようにしましょう!!


おわり(^^)


〈主な参考文献〉
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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