2012年05月29日

症状による分類【痛みの分類A】

今回は『症状』に注目して、通常の『痛み』とは異なる治りにくい『痛み』を分類します。治りにくい『痛み』には、アロディニア痛覚過敏痛覚鈍麻自発痛灼熱痛などがあります。


@アロディニア
アロディニアとは、明らかに正常な皮膚に、通常では『痛み』を起こさないような刺激を与えても、『痛み』が生じることです。アロディニアでは、触られたり、圧迫されたり、温かいものや冷たいものが触れたりしただけで、『痛み』を感じます。衣服や寝具が触れる、風があたるなどの軽微な刺激でも『痛み』を感じます。

アロディニアは、感覚の質が変化している状態で、刺激と反応の様式が異なっている状態です。例えば、正常では触られたら「何かが触った」と感じるのですが、アロディニアでは触られたら「痛い!」と感じるように、ある刺激に対する感覚が正常とは違うものになっている状態です。つまり、この例でいうと、正常では『触刺激』に対して『触覚』が生じるのですが、アロディニアでは『触刺激』に対して『痛覚』が生じてしまいます。

アロディニアの発生メカニズムとしては、侵害受容器の閾値の低下(末梢性感作)や、脊髄後角の広作動域ニューロンの閾値の低下(中枢性感作)などによって、非侵害刺激が侵害受容ニューロンに伝わり、『痛み』として知覚するようになっていると考えられています。閾値とは、神経(ニューロン)を興奮させるために必要な、最低限の刺激の強さの値のことです。閾値が低下するということは、神経が興奮しやすくなったということです。


A痛覚過敏
痛覚過敏とは、痛み刺激に対する『痛み』を、通常感じる程度以上に強く感じることです。痛覚過敏は、アロディニアとともに生じることが多いです。痛覚過敏は、損傷組織で生じるものを一次痛覚過敏、損傷組織の周囲で生じるものを二次痛覚過敏といいます。

痛覚過敏の発生は、一次痛覚過敏は侵害受容器の閾値の低下(末梢性感作)、二次痛覚過敏は脊髄後角の侵害受容ニューロンの閾値の低下(中枢性感作)によるものです。


B痛覚鈍麻
痛覚鈍麻とは、痛覚過敏の逆で、痛み刺激に対する『痛み』を、通常感じる程度以下に弱く感じることです。


C自発痛
自発痛とは、刺激をまったく受けていないにもかかわらず生じる『痛み』のことです。


D灼熱痛
灼熱痛とは、「焼けつくような痛み」と表現されるものです。日本では、「触れられると痛い」「ビーンと痛みが走る」「しびれるような」と表現される場合が多いといわれています。末梢神経損傷後に生じる、激しい持続的な灼熱痛カウザルギーといいます。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.
奈良勲 監,内山靖 編:理学療法学事典,医学書院.2006.

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posted by ふなこしのりひろ at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 痛みのしくみ
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