2012年06月14日

炎症の機序@【炎症のしくみB】

組織が損傷を受けると、直ちに『炎症』が生じ、その中心的役割をなす血管反応がスタートします。これは、次の3つの過程からなります。

@血管内径の変化とそれに伴う血流量の変化

A血管透過性の亢進と滲出液の形成

B細胞成分の血管外への遊走と細胞性滲出物の形成

その後、次の2つの過程をたどります。

C白血球による貪食

D炎症の終焉

では、これらの『炎症』の5つの過程を、詳しくみていきましょう。(^^)



@血管内径の変化とそれに伴う血流量の変化

組織損傷は、血管の破損と出血を伴うため、その直後から止血のための反応が生じます。


まず、血管が破損されると、その血管内皮細胞も損傷されます。すると、血管内皮細胞から、エンドセリンとよばれる化学伝達物質が分泌されます。このエンドセリンによって、破損した部分とその周囲の血管が、一過性に収縮します。


損傷された血管内皮細胞からは、血小板活性化因子も分泌されます。すると、それによって活性化された血小板が、破損した血管に集まり、凝血塊(血の固まりが集まったもの)を作ります。そして、この凝血塊によって、血管の破損された部分が塞がれ、止血されることになります。


また、活性化された血小板からは、セロトニンとよばれる化学伝達物質も分泌されます。このセロトニンは、エンドセリンと同様に、破損した部分とその周囲の血管を一過性に収縮させます。


このエンドセリンセロトニンなどによる血管の一過性の収縮は、通常、数秒〜数分間持続します。この、血管の一過性の収縮も、血流を低下させたり、血管の破損部を小さくさせたりすることで、凝血塊を作りやすくし、止血に貢献していると思われます。


破損した部分とその周囲の血管は、一過性の収縮に引き続き、拡張が生じます。この血管の拡張は、組織が損傷されることで引き起こされる血液中の化学反応により生成されるブラジキニンとよばれる化学伝達物質や、ブラジキニンが組織内の肥満細胞を刺激することで生成されるヒスタミンとよばれる化学伝達物質などが作用することで生じます。


血管が拡張する結果、破損した部分とその周囲の血流量が増加します。この血流量の増加が、“発赤”や“熱感”といった、『炎症』の徴候を生じさせます。また、破損した部分とその周囲の血圧も高くなり、血液の水分が血管から染み出る、濾出という現象も生じます。しかし、この濾出は、次に説明する血管透過性の亢進によって、隠されてしまいます。この血管の拡張は、通常、数十分〜数時間持続します


炎症の機序1.png



つづく・・・


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.

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posted by ふなこしのりひろ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 組織損傷・治癒のしくみ
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