2012年07月29日

痛みの悪循環@【痛みと組織損傷D】

『痛み』は、一度生じると、なかなか取れにくくなることがあります(>_<)。それは、今回から説明する仕組みが大きく関係していると思われます。



「足の裏で画鋲を踏むと、反射的に足を持ち上げる」といった経験は、みなさん一度はあると思われます。この反応は、『痛み』刺激から逃避するための脊髄反射の一つで、屈曲反射といわれるものです。


屈曲反射.jpg
図1:屈曲反射



屈曲反射は次のようにして生じます(図1)。まず、皮膚などの末梢組織に『痛み』刺激が加わると、その刺激が一次侵害受容ニューロンによって脊髄後角に伝えられます。その刺激は、さらに脊髄に存在する介在ニューロンに伝えられ、次に脊髄前角に存在するα運動ニューロンに伝えられます。そして、その刺激は、筋肉に伝えられ、筋肉が収縮し、身体が動き、屈曲反射が成立することになります。


『痛み』刺激が伝わるα運動ニューロンは、刺激から身体を遠ざける動きをさせる筋肉に繋がっています。この筋肉は、身体を曲げる動きをさせ、この動きのことを“屈曲”といいます。したがって、『痛み』刺激によって身体が屈曲するこの反射は、屈曲反射とよばれています。また、屈曲をさせる筋肉は“屈筋”といいます。


身体には、様々な“反射”がありますが、その反射に関わるシナプス(二次侵害受容ニューロン【痛みの経路B】参照)の数によって、単シナプス反射多シナプス反射に分類されます。単シナプス反射は1つのシナプス、多シナプス反射は2つ以上のシナプスが関わる反射です。屈曲反射は、多シナプス反射に分類されます。


単シナプス反射には、筋肉が引き伸ばされること(伸張刺激)によって筋肉が収縮する、伸張反射があります。伸張反射の例としては、椅子に座って脚を組んで、上の脚の膝の少し下を叩くと、反射的に膝が伸びる現象などが挙げられます。


屈曲反射では、『痛み』刺激の強度が増すと反射の放散が起こるため、たくさんの屈筋が同時に収縮します。また、多シナプス反射では、反射反応は一過性ではなく、しばらく持続する特徴があります。


また、屈曲反射では、脊髄後角に存在するγ運動ニューロンにも刺激が伝わります。γ運動ニューロンは、筋肉に存在する、伸張反射の感度を調節する装置(筋紡錘)の中の筋肉に繋がっています。γ運動ニューロンへの刺激の強度が増すと、伸張反射の感度が亢進し、わずかな伸張刺激でも筋肉が収縮するようになります。


以上のことから、組織損傷によって『痛み』が発生している場合は、筋肉が収縮し続けたり、筋肉が収縮しやすくなります。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
松原貴子,沖田実,森岡周:ペインリハビリテーション,三輪書店.2011.

Feuno-logo-finish-small.jpg
股関節、腰、膝の痛みセラピー
『Feuno/フーノ』
ホームページはこちら


posted by ふなこしのりひろ at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 痛みのしくみ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/57320407
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
スポンサーリンク