2013年05月07日

推進力の生成B【歩行の基本D】

今回からは、前回紹介した4つのロッカー機構を説明していきます。


1.ヒールロッカー


ヒールロッカー.JPG
※足趾:足の指  MP関節:足の指の付け根の関節

図1:ヒールロッカー



通常、歩いているとき、私たちは踵から床に着けます。そのとき、踵を支点として、脚が前方へ回転します。これをヒールロッカー(踵ロッカー)といいます(図1)。このとき、膝は少し曲がります。


ヒールロッカー筋.JPG
図2:前脛骨筋と大腿四頭筋



これは、前脛骨筋大腿四頭筋という筋肉が働くことによって可能となります(図2)。


前脛骨筋は、脛骨(すねの骨)と足の甲を結ぶ筋肉です。


大腿四頭筋は、大腿骨(太ももの骨)や骨盤と脛骨を結ぶ筋肉です。


ヒールロッカーフットスラップ.JPG
図3:フットスラップ



前脛骨筋が働かないと、フットスラップと呼ばれる異常現象が生じます(図3)。これは、踵が床に着いた直後、そのまま足の裏が床に落ちていく現象です。このとき「パタン」という足の裏で床を打つ音が聞こえます。つまり、前脛骨筋は、脛骨に足の甲をしっかり引き付けておく役割を担っているのです。


このフットスラップが生じると、ヒールロッカー機構が消失してしまい、歩行時の推進力である身体が落下する力を利用しきれなくなってしまいます。効率の悪い、身体へのダメージの大きい歩き方となってしまいます。


ヒールロッカー膝折れ.JPG
図4:膝折れ(膝くずれ)



大腿四頭筋が働かないと、膝折れ(膝くずれ)と呼ばれる異常現象が生じます(図4)。これは、踵が床に着いた直後、膝が急激に曲がって、身体が床へ落下していく現象です。つまり、大腿四頭筋は、膝が曲がっていかないように、脛骨に大腿骨をしっかり結び付けておく役割を担っています。


この膝折れが生じると、膝から上の身体を前進させることができなくなり、歩行不能となってしまいます。


ちなみに、大腿四頭筋が働かなくても、他の筋肉(大殿筋大内転筋ヒラメ筋など)の力を利用して無理やり膝を伸ばしながら歩ける場合があります。しかし、この歩き方を続けていると、膝が反対の方へ曲がっていくようになります。この膝は、反張膝と呼ばれています。この歩き方は、身体にとってダメージの大きな歩き方です。


次回は、アンクルロッカーについて説明していきます。(^^)/


つづく・・・


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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posted by ふなこしのりひろ at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 歩行のしくみ
この記事へのコメント
定期試験の勉強をしている時にたどり着きました。

ヒールロッカー、膝折れ、反張膝の解説がとても分かりやすく、理解力が乏しい私の頭でも、すんなりイメージすることが出来ました。
Posted by PTの卵 at 2013年10月16日 01:13
to PTの卵さん

ブログをご覧頂き、ありがとうございます。(^^)/
このブログがPTの卵さんのお役に立ったようで嬉しいです!

今は学校でも「ヒールロッカー」についての話があるのですね〜。私のときはありませんでした。(^_^;)

定期試験、がんばって下さいね!!(^o^)/
Posted by ふなこしのりひろ at 2013年10月16日 18:23
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