2013年05月18日

推進力の生成D【歩行の基本F】

3.フォアフットロッカー@


前回説明したアンクルロッカーが生じている間、体重ベクトルは踵から前方に移動していきます。


体重ベクトルとは、重力、筋力、慣性力を合わせたものです。


ベクトル.JPG
図1:ベクトル



ベクトルとは、大きさと向きを持った量です。ベクトルは、よく矢印で表されます。例えば、ある青いボールに力が加わっているとします。この力のベクトルを矢印で表すと図1のようになります。この図で、矢印の長さは力の大きさを、矢印の向きは力の向きを表しています。


ベクトル2.JPG
図2:2つのベクトル



図1の右向きの力が加わっているボールに、右下向きの力を加えるとどうなるでしょうか?(図2)


多くの人は、ボールはそれら矢印の間へ進んで行くだろう、その方向へ力がかかることになるだろうと予測すると思います。しかし、その力の大きさや向きは、正確には分からないと思います。


ベクトル合成.JPG
図3:ベクトルの合成



しかし、ベクトルを利用すると、それが簡単に分かります。どのようにすれば良いかというと、ベクトルの矢印を平行移動して、他のベクトルにつなげれば良いのです(図3)。


まず、図3bのように、オレンジの矢印を平行移動して、その始点を、緑の矢印の終点につなげます。次に図3cのように、緑の矢印の始点と、オレンジの矢印の終点を、新たな紫の矢印でつなげます。この紫の矢印、つまりこの新たなベクトルが、ボールにかかる力の大きさと向きを表すことになります。


このように、2つ以上のベクトルをつないで新たな状態を表すことを、ベクトルの合成といいます。


つまり、体重ベクトルは、重力のベクトル、筋力のベクトル、慣性力のベクトルを合成したものです。


慣性力とは、物体がその運動状態を維持しようとする力です。物体にはそのような性質があります。止まっている物はずっと止まっていようとしますし、動いている物はずっと同じ状態で動いていようとします。


私たちが歩いているとき、身体は前へ進んでいますが、身体には前へ進むことを維持する力が生じています。この力が、歩いているときの慣性力です。


体重ベクトル.JPG
図4:体重ベクトル



体重ベクトルは、歩行中片脚立ちになっているとき、常に足底(足の裏)のどこかに向かっています(図4)。つまり、そのときの体重ベクトルは、足で床を押している力ともいえます。またそれは、床に対して、真っ直ぐだったり、斜めだったりします。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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posted by ふなこしのりひろ at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 歩行のしくみ
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