2012年12月24日

正常歩行と異常歩行【はじめに】

今回からは、歩行、歩き方について整理していこうと思います。
参考文献として『ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版』を主に使用していこうと思っています。(^^)/


歩行、とりわけ二足歩行は、私たち人間にとって不自由なく日常生活を送るうえで、なくてはならないものだと思います。さらに、ただ2本の脚で歩ければ良いというわけではなく、快適に、つまり、痛みなく疲れにくく歩けないと、社会生活に多くの支障をきたしてしまいます。


では、私たちにとって、正しい歩行、歩き方とはどのようなものなのでしょうか??


その答えの一つとして、“エネルギー消費の少ない歩行”が挙げられます。歩行の目的は“移動”ですので、できるだけ遠いところへ歩いていくためには、できるだけエネルギーを使わないようにする必要があります。


人間には、二足歩行の長い歴史から、“エネルギー消費の少ない歩行”、つまり“効率の良い歩行”が自然と身についていると思われます。私たちは、生まれてから成長する過程で、歩き方を誰かに教えられることはまずありません。気が付いたら自動的に歩いているのです。


しかし、ひとたび怪我をしたり病気を患ったりすると、“効率の良い歩行”ができなくなってしまい、“効率の悪い歩行”になってしまうことがあります。そして、その“効率の悪い歩行”が癖になると、疲れやすくなったり、痛みが出てきたりしてしまいます。


先ほど述べたように、私たちは歩き方を誰にも教えられていませんので、その疲れや痛みが“効率の悪い歩行”によるものだと気づくことはあまりなく、そう気づいたとしても“効率の良い歩行”へ修正する方法も知りません。


そこで、“効率の良い歩行”、つまり正しい歩行、歩き方がどのようなものか具体的に分かれば、“効率の悪い歩行”をどのように修正すれば良いかが分かるだろうということで、これまで多くの研究がなされてきました。そして、今では、歩行、歩き方について多くのことが解明されています。


長い人生を快適に過ごすために、この研究成果を活かさない手はありませんね。(^^)


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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2013年04月29日

2つのユニット【歩行の基本@】

「歩行について記事を書きます」と宣言してから、4ヶ月ほど経ってしまいました。(>_<)


いよいよ今回から書き進めていこうと思います。(^^)/


歩行、これは自らの機能を使って身体を移動させるものですが、歩行中の身体は機能的に2つのユニットに分かれています。それは、パッセンジャーユニットロコモーターユニットです。


パッセンジャーユニットは、骨盤より上にある、頭、首、体幹、骨盤、両腕で構成されています。これらは歩行に直接貢献するというよりは、“運ばれている”部分であります。


ロコモーターユニットは、骨盤より下にある、骨盤と両脚で構成されています。これらはパッセンジャーユニットを“運ぶ”部分であり、歩行に直接貢献しています。


骨盤は、パッセンジャーユニットにもロコモーターユニットにも属しています。


歩行は、ロコモーターユニットの働きがとても重要です。ロコモーターユニットは、身体を目的地へ運ぶとき、次の4つの機能を遂行しています。


@直立姿勢の安定
A推進力の生成
B衝撃の吸収
Cエネルギーの温存


次回からは、この4つの機能について説明していきます。(^^)/


つづく・・・


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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2013年04月30日

直立姿勢の安定【歩行の基本A】

@直立姿勢の安定

みなさんご存知のように、人間の身体は多くの骨が連結されて形作られています。その骨の連結部は必ずしも平らではなく、多くは丸みを帯びています。この連結部は関節と呼ばれています。


人間が直立するということは、骨を積み重ねていくということです。骨の連結部は丸まっているので、ただ積み重ねただけでは簡単に倒れてしまいます。それを防ぐためには、上に載った骨が倒れない程度に関節を固定しておかなければなりません。


この固定する役目を主に担っているのが、筋肉と靱帯です。そして、体の中で人間が意識的にコントロールできるものは、筋肉だけです。つまり、人間は多くの筋肉の力加減を適切にコントロールさせることによって、直立姿勢を保つことができているのです。


連結部が丸まっている骨を、倒れないように積み重ねて直立にさせるだけでも大変なことですが、歩行時は姿勢が常に変化しているので、さらに大変なこととなります。特に脚の骨は細長く縦に積み重なっていて倒れやすため、筋肉の絶妙なコントロールが必要となります。


つまり、ロコモーターユニットは、この高度なコントロールを歩行時に常に行っているのです。正しい歩き方を知るには、このロコモーターユニットの機能を知る必要があります。(^^)/


次回からは、推進力の生成について説明していきます。(^^)/


つづく・・・


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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2013年05月01日

推進力の生成@【歩行の基本B】

A推進力の生成

みなさんご存知のように、物体を運ぶには力が必要です。私たちが歩くためには、身体を運ぶ力が必要です。その力は何によってもたらされているのでしょうか??


多くの方はこう思っているのではないでしょうか?「足で床を蹴る力で歩いている」と。


しかし、実際はその力だけではありません。むしろ、これから説明することの方が、歩くときに必要な力として重要なことです。特に私たちが、より自然に、より楽に歩いているときは、ほとんど後者の力で歩いています。


その力とは、“重力”です。もっと正確に言えば、重力によって身体が前方に落下する力です。


つまり、私たちは歩くとき、わざと片脚立ちになってバランスを崩し、身体が前方へ倒れていく力を利用しているのです。この力を、私たちの脚に備わっている巧妙な仕掛けによって、推進力に変えて、歩いているのです。


また、歩いているときに振り出される脚の、前方へ進もうとする力も、推進力の生成に貢献しています。


それでは次から、これらのメカニズムを説明していきます。



◎最初の1歩

まず、立っている状態から歩くには、最初の1歩を開始しなければいけません。これまでの研究で、歩き始めるときは、まず振り出す側の脚(遊脚側下肢)で床を押していることが明らかにされています。これは、身体の重心(重さの中心)を、片脚立ちになる側の脚(立脚側下肢)へ移動させるためと考えられています。


ちなみに、身体の重心は骨盤の中にあります(正確には、第2仙椎のやや前方)。


立脚側下肢重心が移動している中、遊脚側下肢は足を持ち上げ、床から離れます。


立脚側下肢は、脚の筋力を調整して重心を身体の前方へ移動させ、身体を前方へ倒れさせようとします。


そして、前方へ倒れる身体を支えようと、遊脚側下肢を前方へ振り出します。その足を床について、倒れる身体を支えます。これで最初の1歩が完成となります。


その後2歩目へと進むのですが、遊脚側下肢を床についたとき、重力を利用して作った、身体が前方へ落下する力が損なわれないように、人間の脚に備わっている巧妙な仕掛けが作用します。(^^)/


その仕掛けは、ロッカー機構と呼ばれるものです。正しい歩き方を知るには、必ず理解していなければならない仕掛けです。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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2013年05月04日

推進力の生成A【歩行の基本C】

前回紹介したように、歩行において、1歩目を完了して2歩目へ移るとき、1歩目で作った身体を前進させる力、すなわち身体が落下する力をできるだけ損なわないよう、私たちの脚には巧妙な仕掛けが備わっています。


ロッカー機構.JPG
図1:ロッカー(揺りてこ)機構



その仕掛けとは、脚を1本の棒とみなして、その棒を回転させることで推進力を損なわないようにするものです(図1)。これはロッカー機構と呼ばれています。


まず、1歩目で脚が斜め前方に、床に向かって落下していきます(図1-a)。


脚が床に着くと、着いたところを支点として脚が前方へ回転します(図1-b)。ここで、床へ落下する力が、前方へ回転する力へ変換されます。


脚が前方へ回転することにより、脚の上に載っている身体が前方へ前進することとなります(図1-c)。


このように私たちは、身体が落下する力を回転する力に変換しながら歩いているのです。この変換にはいくつかの段階があります。それは、このロッカー機構が行われる部分が、次々移動していくからです。


それらは順番に、
1.ヒールロッカー
2.アンクルロッカー
3.フォアフットロッカー
4.トウロッカー
と呼ばれています。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
Jacquelin Perry,Judith M. Burnfield:ペリー 歩行分析 正常歩行と異常歩行 原著第2版
(武田功・他監訳).医歯薬出版,2012.

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