2014年07月03日

はじめに【猫背(円背)のしくみ@】


猫背.jpg

図1:猫背の姿勢



みなさん突然ですが、『猫背』についてどう思われますか??『猫背』とは、図1のイラストの右側のような、背中が丸まった姿勢です。


「悪い姿勢」、「身体を痛めそう」、「元気がないように見える」など、様々なイメージが思い浮かぶと思います。


一般的に、『猫背』は、良くないものとして捉えられていると思います。


あまりにも『猫背』がひどいと、医学的にも「脊柱後弯症」という病名が与えられ、異常として扱われます。


実際、『猫背』は身体にとって良くない姿勢です。また、身体だけでなく、心にとっても良くないと考えられています。


『猫背』になってしまう原因、理由として、主に以下のものが考えられています。

@背筋力の低下
A筋力のアンバランス
B加齢や生活習慣による背骨の変形や椎間板の変性
C運動不足
D心理的な要因


しかし、これらは、「D心理的な要因」を除いて、表面的な説明でしかないと思います。もっと根本的な原因、理由があるのではと思います。


そこで、この【猫背(円背)のしくみ】シリーズでは、『猫背』になってしまう根本的な原因を私なりに考えていこうと思います(心理的な要因は除く)。(^^)/


つづく・・・


〈主な参考文献〉
鳥巣岳彦,国分正一編:標準整形外科学 第9版.医学書院,2006.

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2014年06月22日

理想的な姿勢【関節にかかる荷重F】

前回まで、筋肉に力が入っている状態、関節を曲げた状態でいると、関節にとても大きな荷重がかかることを説明してきました。


では、私たちが健康な身体であり続けるためには、どうしたら良いのでしょうか??


骨を重ねる.JPG

図1:骨の積み重ね



当然のことながら、筋肉に力を入れないように、関節を曲げないようにすれば良いということになります。


図1-aのように、関節を曲げた状態で立っていると、関節に大きな荷重がかかります。図1-bのように真っ直ぐ立っていると関節にかかる荷重は小さくなります。


さらに、図1-bの状態で、筋肉に力を入れていないと、関節にかかる荷重は最小になります。


つまり、私たちがとるべき理想的な姿勢は、できるだけ骨だけで立つ、ということです。


そして、筋肉には、骨だけで立つために必要な分だけ力を入れる、ということです。


このような姿勢、立ち方が、最も関節に荷重をかけないものなのです。こうすることで、関節の変形、椎間板ヘルニア、圧迫骨折となるリスクを減らすことができるのです。


さらに、姉妹ブログ「腰痛、股関節痛、膝の痛み、、、手術その前に!!」のカテゴリ『筋肉と痛み』での説明のように、長引く痛みは、筋肉に力が入り続けて発生してしまう“筋肉のこわばり”が原因であることが多いのですが、このような姿勢、立ち方は、この“筋肉のこわばり”を防ぐことができるのです。



今回で、【関節にかかる荷重】は終わりとなります。立つときは、筋肉で立つのではなく、できるだけ骨だけで立つようにしましょう!!


おわり(^^)


〈主な参考文献〉
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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2014年06月18日

関節にかかる荷重の実際【関節にかかる荷重E】


膝屈曲時の荷重.jpg

図1:膝を曲げたときの膝関節にかかる荷重



前回までに説明したことを、実際の関節でみてみましょう。図1のように筋肉によって膝を曲げたときの膝にかかる荷重はどのくらいになるでしょうか?


このとき、膝関節は太腿の前面にある大腿四頭筋によって曲がった状態で固定されています。この膝は60°曲げた状態です。私の身体(身長181cm、体重73kg)を例に調べてみます。


図1の、緑色の丸は膝から上の身体の重心、赤い矢印はその重心線、aはその重心から膝関節軸までの距離、bは大腿四頭筋から膝関節軸までの距離です。


てこ数式関節変形.jpg

式1:固定している関節での筋肉の力を求める式



これまでの説明のように、大腿四頭筋の筋力は式1で求められます。


Mは膝から上の身体の重量です。他サイトのページ(A基準体重比)に掲載されている情報を元にMを計算してみると、、、Mは体重の85.8%ですので、

M=73×0.858=62.634≒63kg

となります。


aとbは実際に測ってみたところ、

a=18cm  b=5cm

でした。


これらの値を式1に当てはめて大腿四頭筋の筋力Tを求めると、

T=63×(18÷5)=226.8≒227kg

となります。


膝関節にかかる荷重は、MとTを足したものですので、その荷重は、

M+T=63+227=290kg

となります。


なんと、このとき膝にかかっている荷重は、290kgもあるのです!!


これは、体重の約4倍の重さです!!




関節を曲げているということは、これだけ大きな荷重が関節にかかっているということなのです!!


これは膝についてだけではなく、どの関節でもそうです。股関節でも、腰でも、首でもそうです。


腰や背中が曲がっていると、それだけ大きな荷重が背骨の関節にかかっているのです。


つづく・・・


〈主な参考文献〉
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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2014年06月17日

関節の曲がり具合と荷重【関節にかかる荷重D】


曲がった関節とてこの原理.jpg

図1:曲がった関節と「てこの原理」



図1は、筋肉によって曲がった状態で固定されている関節に、「てこの原理」を当てはめたもので、Mは骨の重量、Tは筋肉の力、aは骨の重心から関節軸までの距離、bは筋肉から関節軸までの距離です。


てこ数式関節.jpg

式1:固定している関節での「てこの原理」


このとき、式1が成立しています。


てこ数式関節変形.jpg

式2:固定している関節での筋肉の力を求める式


式1を、筋肉の力Tを求める式に変形すると、式2のようになります。


曲がっていく関節.jpg

図3:曲がっていく関節



図3は、関節をA、B、Cの順に曲げていったときのものです。この図3から、筋肉の力T以外で変化のあるものは、骨の重心から関節軸までの距離aです。


関節が曲がっているほど、aの値が大きいことが分かります。


ここで、式2を見てみると、aの値が大きいほど、Tの値、すなわち筋肉の力が大きいことが分かります。


前回説明したように、関節にかかる荷重は、骨の重さと、筋肉の力を合わせたものです。


つまり、関節にかかる荷重は、関節の曲がっている角度が大きくなるほど大きくなり、その角度が小さくなるほど小さくなります


したがって、関節にかかる荷重を小さくするには、できるだけ関節を曲げないようにした方が良い、ということになります。


※一般的には、関節の角度の大きさで荷重の大きさが決まるという訳ではなく、重心線と関節軸の距離で荷重の大きさが決まります


つづく・・・


〈主な参考文献〉
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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2014年06月13日

曲がった関節の荷重【関節にかかる荷重C】

関節屈曲と筋肉.JPG

図1:曲がった関節と荷重



前回に引き続いてですが、図1のように、筋肉によって関節が曲がった状態で固定されているとき、この関節にかかる荷重はどのくらいあるのでしょうか??


曲がった関節とてこの原理.jpg

図2:曲がった関節と「てこの原理」



図1に前回説明した「てこの原理」を当てはめたものが図2です。関節の回転軸(関節軸)はオレンジ色の点の部分で、ここが支点となります。


Mは骨の重量、Tは筋肉の力、aは骨の重心から関節軸までの距離、bは筋肉から関節軸までの距離です。


関節はこの状態でつり合っているので、次の式(式1)が成立しています。


てこ数式関節.jpg

式1:固定している関節での「てこの原理」



ここで、例えば、M=10kg、a=2cm、b=1cmであるなら、筋肉の力Tは、


10×2=T×1

T=(10×2)÷1=20

となり、筋肉の力Tは20kgであることが分かります。


このとき、関節には、MとTを足した荷重がかかっています。その荷重は、

M+T=10+20=30kg

となります。


直立と曲がった関節の比較.jpg

図3:関節が曲がっていないときと曲がっているときの荷重



つまり、関節にかかる荷重は、関節が曲がっていないときは骨の重量Mだけですが(図3-a)、関節が曲がっているときは骨の重量Mにさらに筋肉の力Tが加わります(図3-b)


では、関節にかかる荷重は、関節の曲がっている角度が大きくなるとどうなるでしょうか?また、その角度が小さくなるとどうなるでしょうか?


つづく・・・


〈主な参考文献〉
中村隆一,齋藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版,医歯薬出版.2003.

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